私は基本的にレザークラフト用の型紙は
CADを使って自分で設計するようにしています。
参考記事:レザークラフトの型紙設計はCADソフトをお勧めします
ただ、勉強のためにも、たまには有料の型紙を使ってみるのもいいかなと思い、
今回、デザインがおしゃれだったロングウォレットの型紙を購入してみました。
購入したのは以下のものです。
この型紙を少しアレンジして、作品を作ってみました。
「製作方法に関する質問にはお答えできません」と書いてあったので、少々不安でしたが、
付属している解説書が写真付きでわかりやすかったので、
特に質問などをする必要ははないなという感じでした。
ということで、作品製作の工程を紹介したいと思います。
パーツの切り取り
まずは、型紙通りに革を切り取ります。
文章にしてしまうと、短いですが、
ここはとても重要で、作品の完成度を大きく左右するところなので、
しっかりと型紙と同じ寸法で切り抜くようにしましょう。
切り抜き終わったのが以下の画像です。
パーツ点数は全部で11個とロングウォレットにしては少なめで、
形も単純なので、
レザークラフトに慣れてきた人のステップアップのための練習作品にちょうどいいかもしれません。
パーツの縫い合わせ
ここからは、
パーツ同士をひたすら縫い合わせていきます。
菱目打ちで穴をあけて、
手縫いで縫っていきます。
縫い方に関しては以下の記事を参照ください。
中仕切りとカード入れ
最初に中仕切にカード入れを縫い合わせます。
ここでは最初に、中仕切りとカード入れの縫い合わせる位置決めを行います。
以下の写真のように中仕切りとカード入れの革の上に型紙を重ねます。
(写真ではわかりにくいですが、型紙の下に革パーツがあります)
そして、型紙の上から丸ぎりで縫い始めと縫い終わりに跡をつけます。
跡をつけたら、それぞれのパーツに菱目打ちで穴をあけていきます。
そして、縫い合わせたらカード入れパーツの完成です。
少し変わったカード入れですが、この財布は縦にカードを入れる形式です。
本体とかぶせ
本体パーツとかぶせを縫い合わせていきます。
本体パーツ(黒い革の方)の銀面とかぶせ(キャメルの革の方)の床面を縫い合わせます。
本体パーツの銀面はゴムのりの接着力を高めるためにカッターで荒らしておきます。
ゴム糊で接着したら、菱目打ちで穴をあけて縫い合わせます。
ちなみに、今回はこの2つのパーツと小銭入れが厚さ2mmの革になります。
そのほかは全部厚さ1mm。
使用した革は最近お気に入りの和乃革の本ヌメ革のキャメルと黒です。
ここの革は今まで使ってきた革の中で一番コバが仕上げやすいです。
なので、コバ仕上げが大事になる財布などの作品はここの革を使うようにしています。
小銭入れとカード入れ
ここも先ほどと同様に銀面部分をカッターで荒らしてから、
ゴムのりで接着して、
菱目打ちで穴をあけて、
縫います。
内装パーツの合体
ここまで来たら、内装パーツの仕上げに入ります。
小銭入れマチ
小銭入れ
中仕切り
中仕切りと本体マチ
の4つのパーツを重ねて縫い合わせます。
今回の長財布の中では一番ぶ厚いところになります。
その厚さは約5mm。
レザークラフトでは革が厚くなるほど、縫うのが大変になりますよね。
厚い部分に菱目打ちで穴を開けるときは、
できるだけ菱目打ちの切れ味を良くした方がいいです。
私の場合は菱目打ちを使う前に、
革研で軽く研いでから穴あけを行います。
これだけでも、だいぶ穴のあけやすさが違うのでぜひ試してみて下さい。
また、2本目打ちなど刃の数が少ない菱目打ちを使用することで、
少しは楽に穴あけができます。
縫い合わせた後は、
豆カンナでコバを整えます。
そして、トコノールをコバに塗って、磨きます。
この工程を両サイドでやったら、内装パーツの完成です。
キャメルの革の部分が膨らんで見えるのは錯覚ではありません。
実際に少し、膨らんでいます。
これは、小銭入れパーツ(黒い革)よりも、中仕切り(キャメルの革)の方が横幅が長いため、こうなってしまいます。
補足しておきますが、
私の技術力がなくて、型紙と寸法が違ってしまったわけではありません。
この長財布はこういう形なのです。
中仕切りと小銭入れの間にマチを設けないので、こうやってスペースを確保しています。
あまり、財布にものを詰め込まない人にとっては、
財布がスマートになるのでいい案だと思います。
外装パーツのギボシ取り付け
外装パーツにギボシを取り付けます。
ギボシの取り付け位置は型紙で確認してから、
ポンチで穴をあけます。
今回使用するギボシはねじタイプなので、
穴をあけたら、ギボシを差し込んで、ねじを回して固定します。
蓋革にも、穴をあけて切り込みを入れます。
この穴はギボシの頭よりも小さいもので大丈夫です。
その分切り込みを入れます。
ちなみに、使用したギボシは「ネジ式 ギボシ レザー用」です。
外装パーツと内装パーツの縫い合わせ
最後の行程は内装パーツと外装パーツの縫い合わせです。
ここが一番難しかったです。
外装パーツと内装パーツのマチをゴム糊で仮接着してから、穴開けと縫いをやりました。
難しかったのは、ゴム糊の仮接着です。
マチの下の方は指を入れるスペースもないくらい狭くなっているので、
綺麗に接着するのは難しかったです。
これなら、ゴム糊で仮接着をせずに、
バラバラの状態で菱目打ちで穴をあけて縫い合わせてもよかったかもしれません。
ギボシ留めのロングウォレット完成
ちょっと失敗した部分もありましたが、
完成形はそこそこいい感じになりました。
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