レザークラフトをするうえで革の購入は避けて通れません。
しかし、レザークラフトを始めたばかりの初心者やこれから始めようと思っている人にとって、革選びは迷うことだらけだと思います。
最初のうちははぎれせっとなどを購入して使っていればいいかもしれませんが、そのうち半栽で買いたくなります。
小物などははぎれサイズでも作れますが、少し大きなものになるとはぎれでは作れません。
長財布などを作るときは、思い切って半栽で革を買った方がいいと思います。
半栽で長財布を作ると、半分以上余るかもしれませんが、ほかの作品作りに使えます。
30cm角の革なども販売されていますが、将来的なことも考えると、半栽で買った方がお得です。
革を半栽で買うときの注意点
しかし、半栽の革を買うときには注意も必要です。
30cm角などのカットサイズで販売されている革の場合は思った通りの形の革が送られてくるでしょう。
しかし、半栽はそうはいきません。
半栽=牛の半分なので、それぞれ大きさも形も違います。自然のものなので仕方ありません。
半裁とは以下のような形の革です。
また、背中の部分の革と足の付け根の方の革では質も違います。
傷の量も違います。
半栽の革とはそういうものだと思って購入しなければいけません。
全体の70%くらいを使うイメージでいるといいと思います。
どうしても使えない部分とか、パーツを切り取っていると、余ってしまう部分とかが出てきます。
それは仕方がないことです。
半栽の革を使うときの注意点
半栽の革を使うときは、部位毎にどういう用途で使うか考えなければいけません。
半栽の革は部位ごとに、伸びやすい方向が違います。
バッグなどの場合、完成品で革に大きな負担がかかるところには伸びにくい丈夫な部位の革(背中部分)を使うなどを考える必要があります。
そのため、半栽の革を買ったら、これで何を作りたいのか最初に考えるといいです。
財布とリュックだったら、この部分を財布に使おうとか、この部分はリュックに使おうとか考えます。
革の質は背中部分が一番いいです。逆に足に近づくにつれて、徐々に質が悪くなります。
質が悪いといっても使えないわけではないので、使う部分を良く考えてパーツの配置などをやりましょう。
半栽の値段
革を半栽で買うときは大体の面積で価格が決まります。
革の面積の単位は[ds]です。1dsは10cm×10cmの革になります。
半栽の場合100ds~200ds位の革になります。
1dsが100円の革なら、半栽は10000円~20000円くらいになります。
革の相場的には1ds100円以下なら安い、100円~200円が普通、200円以上は高価といった感じです。
といっても革の種類によって値段は変わりますが。ここでは牛革を例に挙げています。
革にはクロムなめしとタンニンなめしがありますが、初めて半栽を買うならタンニンなめしを買うことをお勧めします。
いわゆる、ヌメ革というやつです。クロムなめしの革は安いですが、やわらかすぎて縫うのが難しいです。
失敗しないために知っておくべき革の仕上げ方法
レザークラフトで使用する革というのはいろいろな加工をした後に販売されています。
この加工方法によっていろいろ値段も変わってきます。
初心者の人にとりあえず知っておいてほしいのは、革の最終工程である仕上げ方法についてです。
革の販売サイトでは革についていろいろな言葉で説明されています。
アニリン仕上げ、顔料仕上げ、染料仕上げ、などの言葉を見たことがあると思います。
レザークラフト初心者にとって???だと思います。
しかし、この言葉の意味を知っておかないと、痛い目を見ると思うので、
説明しておきます。
顔料仕上げ
顔料仕上げを簡単に説明すると、
革の表面に塗料を塗る仕上げ方法です。
革の表面に塗料を塗ることで、革の表面の傷などを隠すことができますし、
色に関しても鮮やかな色を出すことができます。
しかし、
傷を隠すということは、めちゃくちゃ傷だらけの革でも、傷の無い革に見えるということです。
革というのは動物の自然の革なので、当然傷はあります。
しかし、傷の度合いは動物が育ってきた環境などによって違います。
そのため、革は傷の度合いによってランク分けされています。
ランクの低い(=傷の多い)革は顔料仕上げで傷を隠して販売します。
ランクの高い(=傷の少ない)革は染料仕上げ(この後説明します)で販売されます。
また、顔料仕上げの場合、革の表面が隠れてしまうので、革独特の質感なども失われてしまいます。経年変化も表面には出て来ません。
表面変化は塗料の劣化だけです。
染料仕上げ(アニリン仕上げ)
染料仕上げとアニリン仕上げは同じものだと思えば大丈夫です。
染料仕上げは革に染料を染み込ませて、革自体に色を付ける方法です。
革の表面の傷などは隠れませんが、革本来の質感や経年変化を楽しむことができる革です。
傷の多い革は染料仕上げでは使えないので、染料仕上げで販売される革は傷の少ない革になります。(それでも傷は0ではないですよ!)
個人的には、レザークラフトをやるうえで買うべき革は染料仕上げの革だと思っています。
顔料仕上げの革を使うくらいなら、人工繊維の布を使えばいいと思います。
初めて半裁の革を買う人におすすめのショップ
個人的に一番おすすめのショップは
です。
ここの革ならどれを買ってもハズレはありません(個人的には)。
私はHERZ(ヘルツ)の革製品が好きなのですが、そこの革にかなり近い気がします。
少し値段が高いですが、初めて革を買う場合でも和乃革の革を買うことをおすすめします。
また、和乃革の「本ヌメ革の生成り」と同じ革を扱っている通販サイトが2020年に新規オープンしていました。
半裁の生成りのみの販売ですが、
和乃革とは違い、0.1mm単位で漉加工を依頼することが可能です。
まだ、購入したことはないですが、いずれ使ってみたいです。
また以下の2つの店もそこそこおススメです。革だけでなく、道具も豊富にそろっています。
こっちのお店は半裁ではないですが、大きめのカットレザーが売っています。90cmの長さのカットレザーはほかにはなかなかありません。半裁より少し小さいのがほしい場合はこっちでもいいです。
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